それは切なくも鮮烈なオスの物語……などと浸っているところに、事件が勃発。
早速だけど、
キウイフルーツの木。建築工事の邪魔にならない庭の隅に仮植えし、1年半育苗していたもの。キウイは結実までの年数が短いそうなので、早めに伸ばしておけば、今年の秋からでも収穫できるのでは……というもくろみだった。噂どおりの伸びっぷり。ただし、仕立て計画も何もなく、伸びるにまかせてボサボサ。主幹は一本立ちにしなけばならないのに……。
実はこういうフライング育苗しちゃった果樹がいくつかある(汗)。
「キクチの果樹苗木カタログ平29年秋~30年春」,74頁より |
あれこれリサーチして、品種は「レインボーレッド」にした。中心が赤みを帯びる、高糖度のレッドキウイだ。
※なお、これに似る「紅妃」という品種があるが、人によっては、「紅妃はおえっとなる風味がある」という情報がチラホラ……ってことで今回は定評のあるレインボーレッドにした。
キウイは雌木と雄木に分かれていて、混植しなければ結実できない。このレインボーレッドが実るには、オスの花粉が必要不可欠となる。
※なお、これに似る「紅妃」という品種があるが、人によっては、「紅妃はおえっとなる風味がある」という情報がチラホラ……ってことで今回は定評のあるレインボーレッドにした。
キウイは雌木と雄木に分かれていて、混植しなければ結実できない。このレインボーレッドが実るには、オスの花粉が必要不可欠となる。
こっちが、ペアを組む雄木「早雄」。メスとは異なり小さな体。窮屈な鉢に閉じ込めたまま育苗した。ただでさえ樹勢の強いキウイ、実のならぬオスをのびのび地植えするほどのスペースは無い。これからも鉢に閉じ込めたまま、花をいくつか咲かせるためだけに現状を維持していく。生かさず、殺さず、ただ受粉のためだけに……
ところで、深海生物ビワアンコウというのがある。
Wikipediaより |
ビワアンコウのオスは、メスに比べて極端に体が小さい。メスが楽器の琵琶サイズだとすれば、そのバチ程度しかない。そして、暗闇の深海では、オスとメスが出会うチャンスは滅多にない。オスはメスに出会うとメスの体に噛みつく。するとなんと、噛みついた部分からメスに融合していくのだ。メスの血管と繋がり、脳や内臓を失い、自我を手放し、その後はメスの体の生殖器官として……そう、ただ生殖のためだけに在り続ける。その生き様が、キウイの雄木と重なって見えるのだった。
より近しいのは、雄木を雌木の一部に接ぎ木する方法だけど、キウイは枝の勝ち負けの差が激しく、接ぎ木枝に花を咲かせ続けるには、高度なスキルを要するらしい(ので、自分は早々諦めた)。
より近しいのは、雄木を雌木の一部に接ぎ木する方法だけど、キウイは枝の勝ち負けの差が激しく、接ぎ木枝に花を咲かせ続けるには、高度なスキルを要するらしい(ので、自分は早々諦めた)。
ちょっと、なんともいえない気持ちになったところで、植え付けの続き。
キウイ予定地に誘引棚が登場。右が見切れてるけど、サイズは幅5m×高さ2.5m。
先週末、旦那氏に手伝ってもらい準備した。庭の構造物はできるだけ木製で統一したいのだけれど、キウイはヤワな棚ならへし折るほどの強健っぷりなので、ここは手堅く単管パイプを使用。目立ちにくいブラウンカラーがあってよかった。ジョイント部分に専用カバーを付ければ工事現場感も薄らいで……。
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そして、キウイはわりと耐陰性があるらしいので、北側通路でも育ってくれたらと、横幅を広めにとっている。ブロック塀の目隠しになるほどもりもり茂ってほしい(∵北側ブロック塀はお隣さん所有なので、しっくいを塗ったりできない)。
ではさっそく植え付けよう! と、レインボーレッドを持ち上げたその瞬間……
ボキッ!!
……えっ
目の前で崩れ落ちるレインボーレッド……
の株元が!!
大穴がぼこぼこと……その穴のところで折れた。これはいわゆるテッポウムシ?コウモリガ?の入った跡ではないか。裏側だったので気付かなかった……気付いてあげられなかった……こんなにたくさん、ごめんよ……うう(涙涙)
―ここでしばし茫然自失―
でも待って、大丈夫、まだ立ち直れる! 新しい枝が出てるじゃないか! 危機を感じて自ら活路を見いだしたのか……偉いぞ、よしよしいい子だ(涙涙)。
ということで、新しい枝を主幹に据えて、ペアで植え付けた。
ということで、新しい枝を主幹に据えて、ペアで植え付けた。
なんともあっさりしたお姿に。
ところで早雄の足下の根域制限バッグ。昨日の苦行で懲りたかと思いきや、小さめバッグなら簡単ちゃうん?思って縫ってみたのだ。このサイズなら、なんとか滑落せずに縫えた。よかった。
ここからさらに、もう一組。ヘイワード(雌)&トムリ(雄)も投入する。
ヘイワードはご存じスーパーで売ってる超メジャーなキウイ。保存性が良いのが特徴。このペアは実家に植えてある親木から採取した剪定枝。いきなり地面への休眠挿しを試みる(すでにパテントが切れているので他所への挿し木増殖OK)。
【後日談】
うまく根付かなかったので諦めた。何より、レインボーレッドが美味しすぎて他のキウイは不要になってしまった。
それにしても、おっそろしやテッポウムシ・コウモリガ。こんないきなりその洗礼を受けることになるとは……マジ、許すまじ。何か対策を考えなければ……。
乾燥防止に松葉でマルチングしておいた。
作業時間:4時間
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