堆肥枠不要。コガネムシも予防。切り返しは適当にひっくり返すだけ。袋で簡単に落ち葉堆肥を作る方法をご紹介。
松葉堆肥を作りたい
我が庭がアルカリ土壌と判明し、改良材として酸性の有機資材を探した。結果、松葉堆肥がピートモスに次ぐ酸性であることがわかった。うーん、松葉堆肥! ほしい! しかし市販品はない……となれば自作するしかない。ないものは作るッ それがDIYの精神ッ
松葉を入手するには
採取の許可をもらう
まず、材料の松葉をどうやって入手しようか。松茸山でも持っていれば苦労はないが(※地表に松葉が堆積していると松茸が発生しないので、松葉掃除が必要らしい)……ここで、ふと思い出す。松っていえば、そう確かあそこの公園って松林があったなぁ。そうか、公園か! 公園の落ち葉なら拾ってもいいのでは? さっそく市の公園管理課に聞いてみると……。
っしゃ! 一応、公園名を名指ししたけれど、公園一般で落ち葉採取OKだった。これで市内の公園が我がテリトリーに。
採取する
ということで、寒風吹きすさぶ中(汗)、袋片手に公園にやってきた。常緑樹である松は、気温の下がる12月~1月に最も葉を落とすらしい。ちょうどいいタイミングだ。
落ちてる落ちてる! ここからは直接、次の行程で落ち葉を拾いながら堆肥を仕込む。
袋で落ち葉堆肥を作る方法
落ち葉を袋につめる
ダンボール箱でこういう枠(底なし)を作って、
袋をひっかけると入れやすい。枝は分解しにくいので、入れないほうがベター。できるだけ葉っぱのみ拾おう。そして、ぎゅうぎゅうに詰めた方が分解しやすい。なお、今回は松葉を使っているけれど、もちろん広葉樹の落ち葉でも、抜いた雑草でもOK。
あれば米ぬかも足す。米ぬかは微生物のエサとなり、分解が促進されるので、入れるのがより良い。量は適当でOK。
袋の口を縛り、持ち帰る。
直射日光のあたらない、雨水のかかる場所に置く。∵袋が紫外線で劣化しないように。また、乾燥すると分解しないため(何個か作って寄せ集めておくと、乾燥防止になる)。気が向いたときに袋をひっくり返す。
1〜2年待ったら完成
これは1年前に仕込んだ広葉樹の落ち葉堆肥。原型は崩れ、土のようになっている。こんな感じになれば完成。
※松葉は分解しにくいので、2年待って使うとよい(月刊現代農業2017年12月号85~89頁)。……ということで、松葉堆肥にありつけるのは2年後だ。その頃には庭の整地が終わっていればいいのだけど……(汗)。
【2023/09/22追記】
堆肥化(分解)されていない生の松葉は、雑草抑制効果があるが野菜の成長抑制効果もある諸刃の刃。少なくとも2年以上かけて堆肥化しなければ、作物の成長に影響が出る(「月刊現代農業2021年5月号68~71頁」)。松葉を使うときはしっかり堆肥化しよう!
感じたメリット・デメリット
メリット
・堆肥枠での作り方と比べ、枠作りや切り返し作業が不要なので、楽ちん。移動も簡単。
・現場で土ごと発酵での作り方と比べ、空きスペースで好きな量作ることができる。コガネムシやヨトウムシなどの害虫の産卵をある程度抑制できる(袋の上から産卵される可能性はゼロではない)。
・現場で土ごと発酵での作り方と比べ、空きスペースで好きな量作ることができる。コガネムシやヨトウムシなどの害虫の産卵をある程度抑制できる(袋の上から産卵される可能性はゼロではない)。
デメリット
・袋のコストがかかる。が、使い終わった肥料袋や培養土袋、お米の袋などを再利用すればローコスト。
【2018/03/17追記】
・少量ゆえに発酵熱は上がらないので、雑草の種が混じっていても死滅しない。分解までの時間もかかる。