酸性土を好むクリをアルカリ土に植える

2018/02/28

果樹 堆肥・肥料・土壌改良

 ブルーベリー並みに酸性土を好むクリ。アルカリ大地で育てるために、いよいよリーサルウェポンを投入。

改革してもらおうじゃないの!

山栗の植生観察


再三グチっているけれど、当地周辺はアルカリ大地だ(pH7.5~8.0)。

土壌の改良方法(農水省HP)5頁より

今回、栗の木を栽培しようと適性pHを調べたところ、なんと5.5~6.0ブルーベリー並みに酸性好きときたもんだ。

どうりで、このあたりのアルカリ山では山栗の木を見ないわけだ。いや、でもちょっと待った。たった1カ所だけ見かけたことがある

ということで、確認のため冬枯れのハイキングコースへ。葉っぱが落ちててわかりにくいけど、株元直径40cm超えの立派な山栗の木だ。このアルカリ大地で、なぜこの子だけ大きくなれたかというと……

のおかげ松葉堆肥はpH5.0の酸性)。当地では、松こそが山栗&ワイルドブルーベリー「ナツハゼ」のコンパニオンプランツといえそう。

ということで、松葉堆肥さえあれば問題解決だ。けれど、松葉堆肥は仕込んだばかりであと2年待ち(汗)。ということで、リーサルウェポンにご登場いただくことに。

粉末硫黄を施す

いずれ庭全体に使うことを見越し、買いに買ったり20kg!

難しいことはよくわからないのだけれど、硫黄をまくと土壌細菌があれやこれやで土が酸性になるらしい。細菌まかせなので、効果が出るまでに夏場でも2ヶ月かかる。しかし、落葉樹の植え付けシーズン締め切り迫る昨今、2ヶ月も待っていられない。硫黄の施用と植え付けをほぼ同時にやっちゃうことに。

植えつけ予定地はここ。フェンスの向こう、庭よりもレベル4m下がった傾斜地。

1週間前に庭から出土した石で石積み花壇を作ってみた。そのとき、土に粉末硫黄を混ぜ込んた。薄いライムグリーン色で、硫黄温泉みたいな匂いがする。だまになっていたので、土ふるいでまいて、まんべんなく備中鍬で耕し、混ぜた。

粘土質土壌のpHを1.0下げるのに必要な硫黄の量
一坪3.3㎡×深さ10cmあたり260g
「土壌改良資材量のもとめ方」(農水省)32頁より

→花壇は約1/3坪×深さ20cm、pH7.5→5.5へ2.0下げるために346g必要。

さらに、もみ殻堆肥を投入。ここでも硫黄を混ぜておいた。

もみ殻堆肥pH6.5強→1.0下げるために、土嚢袋(約20リットル)あたり15g使用。

単に土を酸性にする、という目的であれば粉末硫黄のみで足りるだろう。けれど、植物を育てるという目的のためには、やはり堆肥が絶対不動のエースと思う。ほんとは自然に習って松葉堆肥オンリーにしたいけれど、現時点ではもみ殻堆肥+硫黄の力を借りておこう。

ここで、もう一つ花壇登場。これも庭から出土した石で作ったものだ。同じように土と堆肥にそれぞれ硫黄を混ぜておいた。

クリの植え付け

品種は「ポロタン」と「倉方甘栗」をチョイス。どちらも渋皮が剥がれやすく、かつ直立性というのが決め手になった。境界近くに植えるため、枝はできるだけ広がらない方がいい。そして、フライング育苗で、1年半ほど庭先に仮植えしておいたのだけれど、アルカリ土だったせいか、あまり伸びていない。
【後日談】1年後、倉片甘栗が枯死してしまったので、同じような性質の「万点甘栗」を植え直した。

支柱&株元のアニマルガードを添えて、松葉でマルチングして完成(松葉マルチングは毎冬継続していく予定)。夕方から雨の予報なので、水やりはお天気におまかせ。

フェンスの向こうの傾斜地……宅地というより現況山林で、どうにも使えない! と嘆いていたが、クリを植えるにはちょうどいい。庭に直接イガイガが落ちてこない。買うと結構高い栗、家で栗拾いができるのならば、なんと素敵なことか。我が庭には他にも残念ポイントがいろいろとあるのだけれど、工夫して有意義な場所に昇華できるようにしたい。

【2022/10/11追記】

その後、毎年ぽつぽつと収穫できている(ぽろたん)。
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著者:なおと

著者:なおと
関西在住の主婦。2017年より1人庭を開墾し始める。愛読書は「月刊現代農業」、ドゥーパ! ブログ記事へのリンクはご自由にどうぞ〜画像・記事を引用される場合の引用元は、該当記事またはhttps://woniwa.blogspot.comでお願いします(いずれも報告等不要)。

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